テディベアの幸せ

 

私の子供たち、テディベアのベア君とメロディちゃんは、仲のいい兄妹です。

スコットランド生まれのお兄ちゃんのベア君は、一見女の子かと見まごう草食系男子。

山梨生まれで、体が大きく、りりしい顔の妹のメロディちゃんによりかかって、いつもうっとりしてます。

おかげでメロディちゃんは、小さいお兄ちゃんと、病気のおばちゃまを必死で守らなきゃいけませんので、ますますりりしくたくましくなります。

お嫁に行けなくなるんじゃあ・・・

 

ベア君もメロディちゃんも、時々、哀しそうな顔をすることがあります。

その顔を見ると、おばちゃまは、胸をつかれます。

二人は、テディベアとして幸せなんだろうか?

と疑問になるのです。

 

年取った病人のおばちゃまなんかではなく、元気のいい子供たちのそばにいる方がほんとは幸せなのではないか?と・・・

おばちゃまは、二人が汚れたり傷ついたりすることのないよう、気を付けて大事に扱いますが、

子どもたちに、もっとぞんざいに扱われて、汚れたり、痛んだりしたとしても、それが、本来のぬいぐるみの幸せというものではないだろうか?

 

また、私がいなくなったあと、二人はどうなるだろうかとも考えます。

二人は、いつも一緒です。

家にいた時は、寝る時も、一つのおふとんで一緒に寝てました。

いい相棒だったんです。

 

残されたこの子たちは、これからも、二人一緒にいられるだろうか?

どういう運命になるだろうか?

どういう人たちの手に渡るだろうか?

私が、永遠に二人を見てるわけにはいかないのですから、神様のなすがままにまかさなければいけないのですけれどね・・・

 

毎朝、二人を、朝日の当たる気持ちのいいラウンジまで連れて行き、しばらくそこでお話しします。

「一夜明けたあとの朝日を浴びると気持ちがいいでしょう?」

そして、二人の顔をじっと眺めます。

私のかわいいテディベアたち・・・

私の話を、じっと心から聞いてくれる孤独な人の友たち・・・

 

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