滅亡を描く画家 ジョン・マーティン
二度目にイギリスに行ったのは、30年くらい前になります。
この時は、ツアーではなく、一人でした。
ロンドンの宿を中心に、ロンドン市内や、近郊の田舎をまわりました。
ロンドンでは、いくつかの美術館を、何日かかけてみました。
テート・ギャラリー、ビクトリア&アルバートミュージアム、ナショナル・ポートレート・ギャラリー、レイトンハウス・ミュージアム、ウォーレス・コレクションなどです。
テート・ギャラリーは二度目です。
ウィリアム・ブレイクの奇想、ターナーの壮大で霞むような絵、ラファエル前派の色彩の美しさとロマン、どれにも心を打たれました。
会場の片隅で、ふと目に留まったのが、色のついていない、やや小型の絵でした。
版画だったのかもしれません。
ノアの洪水や、バビロンの滅亡、ソドムとゴモラなど、世界や都市が神の怒りに触れて滅びる時の状景のようでした。
ノアの洪水など、最後に地上に残され、これから濁流に呑まれていく人たちの気持ちになり、怖くなりました。
このような絵ばかり並んでいますので、いやでも記憶に残りました。
どういう画家なのだろうと思いましたが、以後、調べてみることもなく過ぎました。
最近、趣味人に書いてみようかなと思いました。
WIKIを見ただけですが・・・
(1789〜1854)
イングランド最北部、ノーサンバーランド州に13人兄弟の末っ子として生まれたそうです。
肖像画を見ると、繊細そうな顔です。
絵の技法を学んだあと、ガラスや磁器の絵付けに従事し、23才の時からロイヤル・アカデミーに出品しました。
画面一枚に壮大な風景を描き出し、それによって天変地異の圧倒的な力や破局的な様相を現出させている画風で注目を集め、人気作家となりました。
その後、都市計画や発明に関わるようになってから破産同然となったそうです。
アーティストは、いつの世も大変です。
世界の滅亡の絵など、買う人がいるのだろうかと思うのですが、当時、人気があったそうです。
私はほしくありませんが・・・
このような絵が流行る潮流があったのでしょうか。
世界の滅亡になど、遭遇したくありませんが、今の地球や世界の状況を見ていると、誰しも、ありうることかもしれないです。
ほっとくつろぐ居間の壁になどかけたくないと思いますが・・・
旅先で、たっぷり時間をかけて、美術館を見て回るのはいいことですね。
未知の世界が観られます。
特に、海外には、めったに行きませんから。