イギリス イギリス (2)ローマ
ローマのホテルに入って驚いた。
フロントの男の方が、ひどい日本人嫌いだったのだ。
私は、こういう人に、生まれて初めて会った。
まったく私たちを無視している、話しかけても、応えるどころか、目を合わそうとしない。
ほかの方が応対してくださったが、あの男の方は、その後、無事にそのホテルで勤めていかれただろうか?
ギリシャの行程がなくなったので、最初の数日、ローマでの予定はなかった。
ツアーの同行者は、若い女性が多く、東京からローマまでの機上での時間が長かったため、すっかり和気あいあいになっていた。
中に、旅慣れた方があり、その方が、翌日、市電に乗って、私たち5〜6人のグループを、バチカンまで連れて行ってくださった。
おかげで、システィナ礼拝堂の天地創造を見ることができた。
フォーロロマーノやコロセウムにも行ったように思う。
途中でロマの人たちも見かけた。
トレビの泉やスペイン階段にも行った。
ガイドさんがついてだが、カタコンベにも入ったと思う。
ホテルへの帰り、グループで歩いていると、後ろを、ぞろぞろ、ローマの少年たちと思われる若者たちが着いてくる。
口笛を吹きながら、軽口を飛ばしながら、どこまでも・・・
若い女性がほとんどなので、ちょっと怖かった。
ホテルの夕食は、滞在中の数日間、毎日同じ、固いお肉のステーキだったが、誰も、夕食に外へ行こうとは言いださなかった。
旅行会社のオプショナルツアーもあった。
バスによるナポリとポンペイの観光だ。
ナポリで、地元の歌手の方の唄を聴きながら昼食。
ナポリ湾の眺めはたいしたことはなく、歌手の方の唄も、昼食も、今一つだった。
そこから、バスに乗って、ナポリの下町を車中から眺め、一路ポンペイへ・・・
これが長かった。
延々とバスは走る。
古代ローマ軍団が行進したというアッピア街道ではないか、と思い、ゆっくり観たいのだが、睡眠不足の日も多くて、なにしろ眠い。
バスの中はお休みタイムとなり、寝ぼけ眼でのポンペイ観光は、やや印象が薄くなった。
ツアーは、あまり性に合わないと思う。
でも、同行の方たちと少人数で、いろいろ動き回れてよかった。
カフェ・グレコとかいう素晴らしいカフェに入ることもできた。
ツアーでの団体行動より、よほど多くのものを見られた。
また、初めにローマの街へ入った時、夾竹桃が多いな、と思ったのを覚えている。 (続く)