イギリス イギリス (7) マフェット嬢ちゃん 帰国へ

 

大変なこととは、英語教室がなくなったことです。

先生が、急に都合悪くなり、代わりの先生が見つからないのだそうです。

大問題です。

みんなで考えましたが、ステイ先のおうちはさまざまで、来客の多い、なかなか裕福なおうちにいかれた方もあり、そういう方は、「私、先生について勉強しなくても、お家にいて、

お客様とお話ししてるだけで、勉強になるわ」という方があったり、勉強がないなら、旅行して回る、という方もいました。

私は、どうしようかと思いましたが、ツアーで親しくなった方から、湖水地方の旅に誘われたり、ロンドンで働いている友人が来ないかといって来たり・・・

結局、勉強は諦めました。

あきらめたといっても、そうせざるを得ないわけですが。

ロンドンでバスに乗りましたが、バスではいやな思いをしました。

以後、ロンドンに行った時は、地下鉄かタクシーで移動することにしました。

また、ロンドンの友人とはうまくいかなくて、ここでも、辛い思いをしました。

湖水地方に誘われた友人とは、うまくいきました。

アンブルサイドという町に二泊三日して、あたりを見て回りました。

湖を見たり、ワーズワースのお家に行ったり。

でも、その時は、まだビアトリクス・ポターの家のことは、あまり日本では宣伝されていなくて、いけなかったのは残念でした。

帰国した途端、NHKが取り上げたり、ある雑誌が大々的に掲載したり。

後年、何度か行きましたが。

この時、湖水地方のお菓子、「ケンダル・ミントケーキ」を知りました。

日本の薄荷糖みたいな爽やかなお菓子です。

後年、ロンドンのスーパーで買ったのが、とても美味しかったです。

この夏は、日本人の私には寒く思えました。

シャワーのお湯の温度の調節が難しく、寒いので、カーディガンを着て休みましたが、夜中にトイレに起きました。

廊下に出ると、泊まったB&Bの灯は、もうすっかり消えています。

仕方なく、階段を這って、上階のトイレまで行きました。

翌日は、睡眠不足です。

現地での人たちのバスツアーに参加して、湖をまわりましたが、途中、うとうと・・・

どうも、この旅は、そういうめぐりあわせでしたね。

この時、同行した友人とは、日本に帰ってからも、長くお付き合いすることになりました。

この他、カーディフ城を見たり、カーディフの街を歩いたり・・・

ステイ先のウォルシュご夫婦は、私たち遠来のお客様のことを気の毒だと思ってくれたのでしょう。

ウェールズを発つ前に、家族全員とのお茶会を設定してくれました。

客間に集まって、お子さんたちを紹介されました。

二男二女で、上から、コリン、クリストファー、シリル、ジルです。

コリンは、お医者さんの勉強をしているようでした。

また、末娘のジルは、絵が好きだそうで、色鉛筆で綺麗な絵を描いて、私にプレゼントしてくれました。

マザーグースの「マフェット嬢ちゃん」の絵でした。

そうそう、このほかにも、家族の一員がいました。

犬のカトゥルスです。

カトゥルス君は、公園をみんなと散歩中、川に入りたがって、顰蹙を買ってました。

後に、イギリスの犬たちは、水浴びが好きなんだと知りました。

一家とは、住所を交換して、和気あいあいとお別れしました。

多くの方々は、外国への観光旅行には、夢を求められるのでしょう。

結局、この時のイギリス旅行は、私にとって、夢の国イギリスには出逢えなかったことになるのでしょうか。

純粋な観光旅行ではありませんでしたからね。

地味で質朴なイギリスの現実の(一端)にいきなり触れてしまったわけです。

夢のイングランドには、後年の旅行で、大いに触れることができましたけれど。

うまくいかなかった、いろいろなことも、後年の旅行の役に立ちました。

ロンドンからの帰りは、北回りで、アンカレジの免税店で家族へのお土産を少し買って帰りました。

大体ひと月間の旅でした。

 

 

 back

home