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 数年前、あるジャズ歌手の方と組んで、朗読&コンサートを行いました。東京と大阪での二回の公演です。

 私が発案し、歌手の彼女に話を持ち掛けました。彼女は、いい企画だと喜びました。そして、この企画を、某新聞社に話したらどうかといいます。朗読するのは、この新聞社の関西版に載っている読者投稿欄のエッセーだからです。

 そこで、新聞社にメールしたところ、結局、二人一緒にインタビューを受けることになり、関西版で、写真入りの大きな記事にしてくれました。

 おかげで、大阪での公演には、多くの方が来てくださいました。また、東京公演に先立ち、前宣伝も兼ねて、その歌手の方の歌の教室の発表会で、朗読することになりました。読み物は、ジャズの教室の発表会なので、「ニューヨークの魔法」という文春文庫のベストセラーから、いくつかのお洒落な話を選んだのですが、歌手の方は、それを作者に知らせたらどうか、といいます。

 そこで、「ニューヨークの魔法」の作者、岡田光世さんに知らせたところ、来てくださる、とのことです。前もってお知らせがありましたので、岡田さんを、お客様たちに紹介することができました。岡田さんは、ご自分の作品を、プロが朗読するのを聴くのは初めてだそうで、とても喜ばれました。

 発表会なので、その時の様子は、DVDに録画されていました。岡田さんの許可を得て、その動画をユーチューブで公開したところ、岡田さんが、ご自分のブログで紹介してくださいました。おかげさまで、大勢の方に観ていただけました。

 私の才覚では、この企画を新聞社に知らせることや、作品を朗読することを、作者に知らせることなどは、思いつかなかったかもしれません。この二つは、歌手の彼女からのGIFT(贈り物)だと思います。

 人のために、いいことをすると、いずれ、それは自分に跳ね返ってくることを彼女は知っているのだと思います。そして、そういう知恵を持っている彼女は、ほんとのGIFT(才能)を持っているといえると思います。

 いつの日か、彼女に、素晴らしいいGIFTが届きますように。

 

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