朗読会「keikoのスクラップ・ブック6」

     日本の心―小泉八雲の生涯  <御挨拶>          

       2004年9月25日(土)原宿にて開催予定

    

皆様、今年で六回目になります朗読会「keikoのスクラップブック」へ、
ようこそお越しくださいました。
朗読を始める前に御挨拶するのは初めてなのですが、おなじみのない方のために、
一体、
keikoさんてどんな人なんだろう、どういう朗読会なんだろうと
お考えでいらっしゃる方のために、今回は、最初に挨拶させていただくことにしました。
keikoさんてこういう人です。

今日は、特別おめかししてますけれどね。
さて、今日の朗読会のテーマになります小泉八雲のことですが・・・
私は「耳なし芳一」や「雪女」などを、子供の頃に読んだことがあります。
けれども、小泉八雲が、日本人ではなく、もとは、ラフカディオ・ハーンという、
いわゆる外国人であり、日本に帰化して小泉八雲となったのだということや、
作品が、すべて、英語で書かれていたということなどは、随分大きくなってから知りました。

そして、八雲の人となりや、波乱万丈の人生を知ったのは、もう30歳を過ぎてからでした。
今から二十年位前、勤め先のお昼休みにちょっと覗いた小さな書店で、
ある本に出会ったのです。
題は「小泉八雲 西洋脱出の夢」、著者は平川祐弘さんという方です。
この本によって、私は、ラフカディオ・ハーン、小泉八雲と本当の意味で、
出会ったと言えます。

この本を読んで間もなく、NHKのテレビで、「日本の面影」というドラマが放映されました。
シナリオは山田太一さん、主演のハーン役は、ジョージ・チャキリス、
奥さんの小泉節子さん役は、若き日の檀ふみさんでした。

ハーンと日本との出会い、そして節子さんとの出会いから永遠の別れまでが、
ハーンを取り巻く人々とのいろいろなエピソードを折り込みながら、
暖かく描かれていたと思います。
私は、ハーンに関するいろいろな本を読み始めました。
その波乱万丈の人生に引き込まれてしまいました。そして、これは不思議なことなのですが、
ハーンが他人とは思えなくなったのです。

ハーンは19世紀にギリシャに生まれた西洋人男性です。
一方、私は、20世紀の日本に生まれた、日本人女性です。
ハーンが愛し、骨を埋めた国、日本の人間であるという以外は、共通点はないはずなのですが、
なぜか、私は、ハーンに心を魅かれてしまったのです。
ハーンに関する本を何冊も書かれた、
工藤美代子さんも、私と同じお気持ちになられたようです。

工藤さんの御著書、「夢の途上 ラフカディオ・ハーンの生涯 アメリカ編」のあとがきに、
工藤さんの、ハーンに関するお気持ちが書いてあります。

工藤さんとハーンとは、生まれた時代も、国も違い、性も違います、
それなのに、工藤さんは、ハーンの言動の全てをごく自然に受け入れることができたのです。
同じく工藤さんのお言葉からひきますが、ハーンは、非常に個性の強い人でした。
誰からも愛される人ではありませんでした。

それなのに、なんとも言えずチャーミングな人だったのです。
俗な言い方をすれば、工藤さんも私も、ハーンの魅力のとりこになってしまったのです。
私たちばかりではなく、大勢の人たちが、“ハーン”、“八雲”そして“ヘルンさん”を
愛したのです。
なんだか八雲への恋文のようになってしまいました。
そう、たしかに恋文かもしれません。

おっと、あまり前置きが長くなってはいけません。

この辺で、朗読会を始めさせていただきましょう。
小泉八雲の生涯や人柄については、朗読会の中で、触れていきたいと思います。

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