友への手紙(チャリング・クロス街84番地)

 ○○○さま

先日は、遠いところを、わざわざ訪ねて来てきださって、どうもありがとうございました。

楽しいひとときでした。

SNSをスマホでログインできるようにもしてくださって、とてもうれしかったです。

病院に帰ってからのNET事情が、少し安心になります。

 

「チャリング・クロス街84番地」のDVDのプレゼントも、

もちろん、シュトレーンも、とてもうれしかったです。

 

○○○さんのデモCDは、あれから何度も聴きました。

出だしのピアニストの方のタッチの力強さ、元シャンソン歌手らしい○○○さんの歌い出し、なにかが始まるな、と思わせる冒頭部でした。

 

ただ、ところどころ、歌詞がよく聴き取れないところがありました。

また、高音部がよく出ていないところも・・・

 

でも、○○○さんが、まだ、よく練習していない、とおっしゃっていたので、練習なされば、クリアできるのだと思います。

目新しい歌詞ですし、○○○さんの、良き新曲となりますように。

 

「チャリング・クロス街84番地」のDVD、とてもよかったです。

冒頭部、ロンドンに憧れ続けて、やっと来ることのできたヒロイン、ヘレーネ(アン・バンクロフト)が、車の窓から、ロンドンの名所を眺めるシーンでは、ヒロインの胸の高まりが聴こえてくるような、そして、若き日の私の、ロンドンへの憧れを思い出すような気がしました。

 

フランク(アンソニー・ホプキンス)の顔だけの演技は、素晴らしいです。

ヘレーネへの想いをこめて、彼女のことを思い浮かべる。

一度も逢うことのなかった二人です。

 

外国の俳優さんの朗読って、あまり聴いたことがありませんが、ホプキンスのさりげない小声での朗読もいいですね。

日本の昔のTVドラマ「日本の面影」で、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)を演じた、ジョージ・チャキリスが、ハーンの原作の一部を朗読しましたが、あれも、とてもよかったです。

 

DVDの最後で、原作にはないシーンですが、バンクロフトが、閉店した「マークス古書店」の中に入り、今はなきホプキンスに「フランク、来たわよ!」と呼びかけるところ、明るいエンディングなのですが、胸に迫りました。

親しい人を亡くしたあと、誰もいなくなった部屋に「こんにちは!」とわざと明るく呼びかけて入って行った時の、なんとも空しいような、哀しいような自分の気持ちを思い出したからです。

 

よいDVDを観せていただいて、ありがとうございました。

 

これからも、よいお仕事をなさってください。

コロナがおさまって、またお逢いできますように。

 

乱筆・乱文にて。

12月19日  けいこ

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