ふろふき大根のゆうべ

 

冬が近づいてきたある日暮れ、峠の茶屋の茂平さんは、イノシシたちから「ふろふき大根を囲む会」に招待されます。

特大の美味しそうな大根一本と、手作りのクルミ味噌をお土産に、いそいそと出かける茂平さん。

三方から集まったイノシシたちと茂平さんの楽しいゆうべは始まりました。

 

柔らかな大根と暖かい湯気に包まれて、湯気の見せてくれる夢も見たあと、〆のお餅でお腹をしっかり固めて、茂平さんは、帰途に就きます。

雪も降ってきましたが、イノシシの貸してくれた手拭いで顔を包むと、雪の峠道も少しも寒くありません。

茂平さんは、飛ぶように家に帰りつきました。

 

朗読教室を開いていた間、このテキストは、何度も取り上げました。

どの教室でも好評でした。

安房直子さんの温かいメルヘンのおかげで、みんなお腹も心も、ポッカポカ・・・

 

鉛筆画を勉強していらっしゃる生徒さんが、コピーしたテキストを、表装してくださって、イラストも描いてくださいました。

 

近いうちに入院したら、おもゆとお味噌汁くらいは、すすられるようになるでしょう。

大根は食べられないけれど、このお話を読んで、生徒さんたちと、ふろふき鍋を囲んでいる気持ちになります。

 

生徒さんお手作りのテキスト

 

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